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天球ギャラリー

小説、イラストの保存庫です。
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記念日じゃなくても

時系列としては最終回より後です。

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コトン、揃いの湯のみを置く音がした。混色した微妙な抹茶色をして不恰好だがどことなく安心する。これは二人で旅行に行ったとき製作体験でろくろを回して 作った物だったり。

湯のみを手にしながらSDカードの整理をしていると、懐かしくなって一枚の写メを探した。見つけて、ふっと笑っていると、横に気配を感じた。

「ほら、これキミだよ」
「ちょ!何でこれあるんですか!」

会ってからそれほど経ってない頃、まだ蛍が手嶋に夢中だった頃だ。六郎が押しかけてきた日の朝ふざけてツーショットで撮った写真がパソコンの画面に映って いる。蛍の髪の毛を上につかんでちょんまげにして写っている写真だ。自分はあの頃にしては楽しそうで、蛍は困った顔だ。

「ある意味、この頃から俺たちはあまり変わってないってことか」
「イヤ、あたしは変わってますって」
「妙に風呂が長いと思ったら血だらけだったりとかそういうコトは無くなったが」
「いつまでそのネタ引きずるんですかっ」

蛍は嫌がりながらも嬉しそうだ。

「取っといてくれてるんですね、そんな写真でも」
「言ったじゃん、キミが最初に泊まってきた日にはチリッと来たって…」
「誠一は、あたしにラブ~なそぶりなんてちっとも見せなかったですが?」
「見せてたまるか。調子に乗る癖に」

パソコンを閉じ、伸びをした。

「蛍との毎日が、俺の楽しみだよ。今も昔もね」
「…ったくズルいこと言ってないで」

ぐいっと腕を引かれる。横顔が赤く染まっているのをみて、にやりとした。

「六時の特売に行かなきゃ、今日お米が安いから…」
「そうだな、ビールも買ってきておかないと」

夕暮れの中、確かな手を握って後は財布一つ。どんな日も楽しみに生きていける。
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Kiss13号感想

『last light 干物をつつむ光』

最終回!

まず一言。展開はええよ!まぁハッピーエンドだったのでよしとしよう…。これでハッピーエンドじゃなかったら恨んでるトコでした。

前回に続き、足湯で再会してしまった部長と蛍。すっぴんでこんな格好!と気にする蛍だがチャンス!と家に誘うが部長は今日は空いてないといってさらっと 帰ってしまう。…えええ?!いいのかこれは?!と思わずどきっとして、先に最後をめくってオチを確認して安心してから続きを読むことにした私でした…。チ キンで邪道ですいません。

そして蛍はその晩、優子や殿に愚痴ろうと電話やメールをする。何をしても上手くいかないからとフテ寝することにした蛍宅に午前1時というド深夜に来訪した のは、殿が運転する車でやってきた優子と優華だった(笑)蛍の干物ぶりを良く知る三人は事情を聞いて蛍と部長の関係を呆れる言葉を口にするwww

いあでもそれ以前に、月1回は殿の携帯チェックしてもよいことになってる殿&優華カップルにうけたwww

蛍は34にもなって、部長に関して以外ならなんとかなるのに部長の前だとなにもできないとか凹む。部長は部長で大人気ない振舞いをした自分と、蛍のことが 気にかかって仕方が無いからって、運転に集中できなくて山の中で迷って、夜になっても家に帰ってないwwwwもうあんたらじれったいwwwww5年もか かってなにやってたんだろうと悩む蛍だけど…

優子「しかも相手は、ますます難攻不落になってしまった、自分の世界に入り込んでるオヤジだし……」

↑これはウケた…www他の二人のツッコミより的確だったwww

恋愛ベタな蛍が5年かかってもずっと好きで(By優華)、ムダなとこだけ根性があってもう直しようが無い(By殿)、蛍は一生高野部長が好きに違いない (By優子)…と三人からぎゃあぎゃあ言われて蛍は改めて自分の思いを思い出す。

すかさず優華が繋いだスカイプで海外っぽいマコトと通話がつながる訳だが(ここで誰もが忘れているが蛍はパジャマ姿な上すっぴんである)。マコトから言わ れて改めて思い出す。マコトとの恋愛はきれいな楽しいところばかりみて、暗いところは避けていた。それが部長との恋愛だと何もかも超えてでも、傷ついてで も追いかけようとする。それを改めて思い出させられた。

マコト「蛍ちゃんには、高野さんの今の気持ちが分かるはずだよ」

↑これについてはなにもつっこみをしている人がいないわけですが…。蛍自身推測している様子も無いが、シーンは既に翌朝に。蛍にしては珍しく(?)、ふさ ぎ込もうともせず、早く起きて朝から掃除機をかけております。そしてみんなにメールでこう述べる。

蛍「前のあたしならこんな些細なことで、勝手に期待して浮かれたり、勝手に失望して落ち込んだりするのが、本当にめんどくさくて封印しているとこでした。 だってこんな気持ちは、毎日の生活には特に必要ないものだから。だけど今はそれがたとえかなわなくても、そんな風に思える人が世の中に一人だけいると思え ることがわたしの大きな力になってるってわかるんです。それは小さな光だけど、あたたかく私の未来を指してくれて。だから私あきらめません。ここまできた ら一生、ゆっくりしつこく部長のこと待つつもりです!」

気合の入る蛍をよそに、部長側はどうなってるのかというと。朝ぼんやりと出勤(おそらくよく寝れなかったんだろうwww蛍のことが気になってたんだよ wwww)すると、キャロラインあやめ(秘書)から、「海外から大量のFAXが届いてます」と言われる。印刷してみるとマコトから嫌がらせというかイタズ ラにも似た迷惑殴り書きFAXがどっさりとwwwwwwやる気の無い自画像に笑ったわ。ByメガネinLAとかうけるwwwww大人気ない、がっかり、成 長ないなどなどボロクソに書いてあってうけた。

部長「だいたいなんで今だ雨宮と…」

ああそうかマコトがホタルを応援してるのは一応知らないのか…、っとここまで来て部長も気づいてしまいます。蛍とマコトが連絡を取っていることに嫉妬して いる自分にwwwwwそして仕事中にも関わらず笑い出す部長。さーネクストアクションどうなる?!

日曜の夕方、一発奮起して六郎に電話をかけて部長の家の住所を調べる蛍。六郎から期待のこもった声で「てゆーか雨宮ちゃん、もしかしてもしかして?!」な んていわれるとブチっと切ってしまうのがうけた。

留守だろうが女がいようがヤケになったりしない!あきらめない!と蛍らしからぬ気合を入れて部長宅を目指す蛍in電車。っとそこに誰かから電話が…しかも 部長?!

部長「あのさ、この家、ちょっと防犯が甘すぎないか?」

…はああ?!wwwwwwwwどこから家を知ったのだwwwまじうけた。誰に聞いたんだ家を?!あの足湯から近くの家の表札探したわけじゃあるまいよ?な らば家を聞くなら山田か殿か優華か六郎かそんなとこじゃ?

せっかく整えた格好もぼろぼろになりながら帰宅した蛍を縁側に座って待ち構えて「おかえり」とかいう部長…。なんだこれは逆じゃないかwww

蛍慌てて部長に茶と手製の和菓子を出す。手作りのお菓子をほめられてぽっとする蛍。部長が自分の家にいるって言うだけでときめいてます。いあーこれこそ本 当の少女マンガ。いあ主人公34歳なんだけど…少女じゃなくて既にアラサーなんだけど…。

そして例の桜についても言及されるわけですが…ん?桜って5年でこんなになるもんなの?!まじで?!しかしそこではない。つっこみどころは次からだよ!部 長、蛍を置いといて独り言でなにやら来年見る頃には立派になってるだろうとか言い出す。

家の主人を話の外においといて、ここに住む気満々だwwwwww

収納はとか言い出すし、二人分ならなんとかなるかとか…っておい?!垣根の低さを指摘して

部長「いくらなんでも丸見えだろう」

ってぇぇwwwwwwwwww蛍は悶々と思い出します。そう、縁側でキスしかけたり押し倒されたことですなwww(14巻最後参照)真っ赤になる蛍に部長 も自分自身に呆れるのでした。

あんなに待ってたのに実際会ったら素直になれなくてムキになるし、マコトと連絡まだとってるんだと知ったら嫉妬するしで…

この物語の酷いところは、この先に部長が何か素敵なこと言うんじゃないかと思った瞬間にピンポーンとかジャマが…(笑)

しかも届いたものは山田さんの新婚旅行のお土産で「干物」だった。(作者はこのネタを最後に入れたくてこの無理やりな展開にしたんじゃあ?!!)

干物は鮮度は無いけど熟成してはじめと違った美味しさになるから悪いものじゃないでしょと開き直る蛍に、部長は相変わらず減らず口で元々のクオリティと加 工法で良し悪しがとか言い出す。

部長「オレにはひとつだけ確実なビジョンが見えるんだ。キミと一緒にいるとこれからも一生オレの人生は楽しい」

だあー!一世一代の告白きた…!素直じゃないオッサンだなあ!(笑)素直に結婚しようって言えばいいのに…。14巻末のアレ(キミのこといつから好きに なったのか~略。)ほどのインパクトはなかったがこの二人らしいなとは思った。

やっと二人が抱き合って、ラストに向かう。このラストのエピローグのところは書くより見たほうが早いんだけどいくつかツッコミしよう。

二人でバードウォッチングしてるコマwww蛍が荷物重そうだし杖ついてるんだけどwww部長がカメラだから背負わされてるのかwwwさすが気楽な二人だ な。部長も男らしく荷物は絶対持つなんて見え張らなくていいもんな。

縁側で二人の父親と部長が飲んでるコマ。その後ろで蛍がつまみを用意してるところですな。こういうの見ると夫婦って感じだね。

要&優華と部長&蛍が飲んでるシーン。こういうのも珍しいというか想像が膨らむよね。どういう会話してるんだろう?面白そう。カップル×2かあwwww 殿&優華とこの二人が一緒に飲む、それも対等の立場で…面白いなあこれ書きたいなあ!

ご注目!子沢山の猫を見ながら手が二つあります。左は子猫を抱える部長の右手、右は手を広げる蛍の左手。その左の薬指に指輪がっ!あのデザインからしてお そらく婚約指輪!ってことはここでやっと婚約なの?

そして蛍の甥二人が成長して中学生くらいになってるコマ!後ろにドーナツ型の老人ホームが!(蛍がコンペで出した最終案だぬ)

そして最後は二人が桜舞う縁側に座っています。いあーやっぱり二人はこうだよね。


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なんつーか詰め込みすぎの最終回でつっこみどころがいっぱいあるんだけど?!補完したい気持ちでいっぱいデス。

遅いかもしれないけどホタルノヒカリ15巻が出るまでもしくは今年いっぱいを目指して同盟を立ち上げようかな?ホタルノヒカリ補完計画みたいな。(エヴァ か!w)

とにかく一安心しました。気力があれば、冬コミに申し込みして玉砕覚悟でホタルノヒカリ本でも出してみようかしらwww(誰が買うんだろう

(終)

Kiss12号感想

『light86 新生!干物女』

まず一言…この展開で次回終了ってどういうことだ?!急ぎすぎじゃない?!てか次回センターカラーですらないようなのが寂しいです。

トビラ絵のバランスについて大いにつっこみをいれたいのは私だけではあるまいよ。二人とも胴が長すぎるナリヨ。

今回の見所…山田ねーさんの髪型?!!!いあいあいあ山田ねえさんこれはねーだろう?!どうしたよねえさん!!!デキる女・山田ねーさんは結構好きだった のに…この髪型は一体…。そして蛍は5年経っても破天荒だと思われてることにワラタ。

5年間の積み重ねは全て部長に見てもらうため、っていう意気込みの蛍が可愛い。純粋に可愛い。部長のためだからって全力でやって成長してきたんだろうな あ。思い焦がれたり寂しがったりしてるとこも見たかったケド(笑)

結局14巻終了時点までで、部長と蛍は、婚約者とも恋人とも言葉に一度もされることなく同居人のままを貫いたよなー。そこが二人らしいったらそうなんです けどww

周りにいっぱい元部下がいるのに雨宮といいかける部長も素敵でした。この人仕事モードにし続けて5年間待ってたんだろうしなあ…!しかも部長に「高野さ ん…」って名刺出して挨拶しようとする蛍が、5年前より乙女な件。どうしよう。普通の恋物語に見える。干物女なのに5年も恋し続けて、その男のために自分 磨きをする旅に出てたわけだしねぇ。

キャロラインあやめとかいう謎の金髪女秘書登場にも慌てず、大人の対応をする蛍。全然乱れない。公私混同しない働く女だな!

パソコンを持って一人で喫茶店で思考にふける蛍。そして都市型の単身者向けの老人ホームを考える。外を歩く猫を見て「部長におけるにゃんこたちのような存 在があれば…!」とひらめいて立ち上がると、その猫を追ってきた部長と鉢合わせwwwwwなんたる少女マンガwwww

しかもまぁその後は二人で目の前にいるのにメールで会話とかwwwもどかしいwww見てるこっちがもどかしいwww

それにしても蛍はデレを隠そうと必死なのに部長は相変わらずの落ち着きぶりだな。でも、蛍の今のアドレスを名刺でGETした部長、どう考えても真っ先に携 帯に登録しなおしたはずだ。平然と名刺のデータ整理などその日のうちの基本中の基本とか言ってるけど絶対うれしかったはずだよwwwまぁキャロラインあや めに嫉妬するシーンはうけた。気にしてないように見えて気にしてるやんwww

というか酷いといえば桜場キャロラインあやめだろうwwwwwwwwこの適当に描かれ加減がすばらしい。感動するw部長が「ふーん」と言っているコマもだ けど、蛍が最初のほうで部長…とか思ってるシーンのあの適当さ加減、男かとおもいましたwwww

その次の日も蛍と部長はガラスを隔ててメールをwwwおまえらわざわざそこでメールせんでもええやんと思いますよねwwwそこがじれったいですよねwww

まぁこの齢になると結婚ぐらいで変わらないよねと返信しようとした部長、送信を取りやめる。蛍、この仕事が終わったら…となにか言いかけて、桜の画像を送 りかけるがやめる。うあーじれったい。しかしバトルが終わるまでの辛抱だ!

バトルではギリギリのところで部長の会社に負ける。打ち上げな飲み会を断って、例の喫茶店に行くけど部長もこないメールもこない…あるよねそういう寂しい ときって!でも部長があえていかなかったわけじゃないんだよねそういうのってさ!

いあ凄いかわいそうって思うっていうか部長への蛍の凄い愛というかが見えるのが、店が閉店するまでずっと居たっていう健気だよ!涙が出そう。

日曜の朝の部長は洋風ですなあ。コーヒーだよ。どっかを探して車で移動する部長。高速道路のって、しかもその服なんですか?!都内M区って目黒区だと思う の私だけだろうか…

一方蛍の日常はというと…ごろごろして部屋が散らかってるところまでは一緒かと思いきや、いかんと気合を入れて片付け掃除をしだす。いあー成長しました な。自立したね!

携帯に写った桜の写真、その後ろの木はもう葉っぱだね。気合をいれて掃除をする蛍を見るとなんか明るい展開が待ってそうでほっとしました。これでハッピー エンドじゃなかったら許さないし…。

蛍が自分で料理するようになったんだー、だけではなくてだな。自分なりに自分を保つ方法を覚えて、凹んでも頑張って立ち直っていけることに気付いたんだ ね…!!

近くに足湯のあるN市ってどこだあああwとか思ってたら、えっ、部長wwww一緒の足湯www

しかも部長は部長で、休日のオヤジスタイルだし。フードつきだし。蛍も日常的スタイルだし。やっぱり何か近いものがあるんだねこの二人…


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とまぁ!ここで12号終わりなので25日が待ち遠しいです。ハッピーエンドにならなかったら泣くよ…。

この後短いページ数でどう展開するんだろう?再告白はどっちから?!結局最後は結婚まで本誌に載れるのか?!それより再会して愛の言葉は交わさないの か?!てゆうかキスくらいはあってもいいだろ?!(@@;

まぁ気になる感じでした。


(終)

80話その後、部長視点で(後編)

「わーかった、わかったから…。今夜は一緒に寝るだけにするから」

なにをやっていたのかと言えば、顔を真っ赤にして照れすぎる雨宮を無理やり引きずり込むことも出来ずに、ベッドの脇で押し問答をしていた。
絶対に 15分は経っている。間違いない。

「じゃ、そ、そういうことでっ」

と、言ったまま二人で硬直する。
これは、どっちが先にベッドに上がるかという緊張というか遠慮というかそういう時間なのだろうか。妙に気まずい。

「…雨宮先にいいよ?」
「部長こそっ、どうぞどうぞ!」
「うーん…そこまであからさまに照れられるとやりにくい」
「照れ…って!!」

手嶋のときはどうだったの、という言葉を飲み込んだ。

「キミの寝てるところなんて沢山みてるんだし、ねぇ」
「ワタシだって部長が寝てるとこなんていっぱい見てますから!」

ベッドの端に足をかけ、奥に転がり込む。まだ立っている雨宮の手を引いて静かに座らせたが、正座をしたまま困ったような目が宙を泳いでいる。
仕方 なく同じようにベッドの上に座って、腕をつかんだ。

「キスも、嫌?」
「じゃないですけど…っ、いあ、アノデスネ、むぐ」

両手で頬を押さえてみた。

「まったく往生際が悪いなキミは…」

そういう自分も、減らず口を叩く割に顔はくだけてしまっていると思う。
自分の気持ちに素直になってしまうと、触れたくて仕方が無い。いままで近す ぎてこういう気持ちに気付くことがなかったけれども…

(先に落ちてたのは、オレのほうなのかも…)

そっと顔を寄せて、唇を軽く触れさせる。軽くつけては少し離し、強張った様子が少し和らいだのをみて、舌を忍ばせた。唇の割れ目に沿ってなぞると控えめに 唇が開く。
ゆっくりしようかと思っていたけれど、いざはじめてしまうと止められそうにない。遠慮がちに引っ込んだ舌を探してより深く、奥へと口付 けた。

「んっ…ぁは、ちょっとっ…」

いつまで真っ赤なのかは知らないが、慌てる雨宮は体裁を繕うように手の甲で口を拭い、空いた手でわずかに浮いたシャツを降ろした。
その手を取って こちらの口元に引き寄せる。

「部長っ…!」
「その格好で、いまさら何を繕う必要がある?いつもオレに見せてるのに」
「イヤ、だって、急にホラ…!あたし、戸惑いまくりデスヨ?!」
「見れば分かるよ」

うー、と涙目でこちらを見てきた。
されて嫌ではないのは見れば分かる、おそらくこの先のことも嫌ではないのだとおもうけれど、あんな大胆発言した 割に覚悟は出来ていないらしい。

「それに、オレもキミのそういう所含めてこういうことしたいと思ってるわけだし…」
「ぶっ、真顔で何を言うかと思えばッ」

反論してきてやっと同じ目線でこちらをまっすぐ見た。そのムードの無い様子に少し笑いをこぼし、雨宮の体を引き寄せる。

(真顔じゃないと…仕事モードじゃないと、言えるか、こんなこと…)

無抵抗にすとんとこちらの胸に倒れてくる雨宮を抱きしめてベッドに倒れこんだ。片手で毛布を引き寄せて、雨宮を腕の中に閉じ込める。

「今日から…朝は一緒に出勤しよう。もうずらす必要もないんだし」
「…そーですね」

照れくさいから、顔を見て歯の浮くような言葉は言えない。雨宮の髪に顔をうずめた。

「おやすみ」


(終)

80話その後、蛍視点で(前編)

※「どっちの部屋にする?」とかの後です。珍しく甘さ4割り増しな気分で頑張ってみました。


「部長ってホント素直じゃないんだから…人のコトとやかく言えませんヨ」
「自分からいやらしい意味も含みますとか言った奴が今頃逃げ腰でどうするっ…」

顔を合わせないようにぶつくさ言いながら玄関をくぐった。
左手で鍵をかけようとしたとき、伸びてきた部長の手がこちらの手ごとドアノブを握った。

「あ…」
「…っ、じゃ雨宮閉めて…!」

ぱっと手を離して後ろを向く部長に何か妙な親近感を覚えて、鍵を閉めた後、不意に重なってしまった感触を思い出してドキドキした。握った手が、右手が熱 い。今までこの人と手を取ることがあったとしてもこんなに熱く感じたことがあっただろうか。つかまれた手を、握り返したのは自分なわけで、それをしている 相手が高野部長って思うだけで頭が真っ白になりそうだ。

そんな風に一人惚気ていると、ふと立ち止まった部長が急に仕事モードのような落ち着いた声で呟いた。

「…というかキミの部屋はおそらく二人も入れないよな」
「しっ失礼なそれくらいはっ」

部長が近距離で振り返った。

「だってキミの部屋のベッド、二人で寝れるスペースあるの?」
「っぶ!!!」

まずい、今絶対に顔が赤い。というかもう赤いとかいうレベルじゃない。完全に茹ってる。
顔を抑えようにも繋いだ右手ごと引き寄せられて、顔を上げ ると目の前に困ったような当人の顔があった。

「キスまでなの?…それで今夜終わり?」
(ちょっ、「なの?」とか「終わり?」とかっ!部長のくせにっ!)

結婚が急に決まって以来語尾が甘くなって、言われるこっちが恥ずかしい!

「無理にチャレンジしなくたって、いいですよっ!!」
「こういうのは勢いが大事だろうっ、何も無くてオレが誘うとか誘い辛いじゃないかっ。それともキミが誘ってくれるのか?ん?」
「誘うって、………いあいあいあ?!」

ふっと笑った部長が空いた手でこちらの髪を撫でる。

「ほんと、お互いこういうのはジョーカー事だな…」

部長も戸惑ってるんだ。男はどうでもいいプライドで92%が出来ているといっていたし、なるべく余裕があるように、スマートに決めたいという態度が見え隠 れする。

「部長が、こういうの不器用なことくらい知ってます…」
「そうだよな。ずっと暮らしてきたんだし、見栄張る必要もなかったのに…今更だった。
雨宮とはいえこういうことすると思うと上手くやろうと思っ ちゃってだな」

また一人で納得して廊下を歩いていく。
マコトくんもだけど男ってそういうもんなんだろうか…?!と思いつつ手を引かれて後をついていった。

(後編に続く)

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