忍者ブログ

天球ギャラリー

小説、イラストの保存庫です。
MENU
このサイトは次のURLに移転しました。
http://ten.zemlyan.com/
新URLへ移動します。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

君がいるから

彼は有名だ。フィアナの末裔と呼ばれ、「ザワン・シン」をクリアした。
そして白い羽根のついた美青年PCを操る。
タウンを歩けばすぐにファンが集まってしまう。彼の魅力というものだろう。
カイトといる時はさほど目立たないものの、ソロだとかなり目立つ。
まあ、雰囲気の硬さというものもあるのだろう。ソロの時の彼のオーラはとても冷たい。
彼は最近ずっとカイトと行動していたからこういう状態であるソロになると疲れが溜まるわけだ。

バルムンクはΛサーバーのルートタウン・カルミナ・ガデリカに来ていた。
ここは他と違って静かで落ち着いている。
例えば、Δマク・アヌの水の流れる水路の近くで休息していると人がいつのまにか自分を見ている。
―――俺にだってプライバシーは欲しい!
ということで彼は探した。エリアは確かに人が少ないのだが、ソロ―孤独で入って休憩、はまずい。
いつの間にか囲まれていたことだって少なくないし、タウンの方が休まる。
でも、プライバシーがない!ということでΔマク・アヌは即刻に案から落とされた。
Θドゥナ・ロリヤックは彼の苦手な"プチグソ"の楽園である為に却下。
プラスしてΣフォート・アウフはなにがいけないかと言えば、休める所がない。
少々暗いが、彼はカルミナ・ガデリカで休む事に決めた。

「バルムンク?こんな暗いところでアンタなにやってるの?」
「うわっ!」
まだ彼が落ち着いて橋の端に腰をかけてからそんなに時間が経っていない。
その彼を不思議そうにブラックローズが覗き込んでいた。
暗いところで真っ白なPCは目立つから別の場所で休憩しなさいよね、と彼女は腕組みをしながら言った。
そして彼のファンやレアハンターがその存在に気付いたのを見たブラックローズは
力任せに彼をカオスゲートに引っ張り、あきれてぶつくさ言いながら転送ボタンを押した。
「疲れてるならログアウトすればいいじゃない。カイトにしかアド教えてないからほぼソロなのは分かるけど。」
「すまない、だが今日はΔでカイトと待ち合わせが・・・・・・」
「そんな調子でカイトに迷惑かけちゃ駄目だからね!そんなのアタシが許さないから!」
保護者らしき姉の態度にバルムンクは素直にうなずいた。
「分かっている。すまないな、ブラックローズ」
彼女は苦笑いしながらバルムンクの肩を優しく叩いた。
「アンタもまだまだ子供じゃない・・・アタシよりも年上のくせに。」
もちろん、自分より2つも年下に子供扱いされた彼は苦い顔をした。



Δマク・アヌ。
彼はやはりこの町に来ると神経を使う。カイトはまだか!と思いつつ、ウロウロする。
難しそうな顔をしながら歩いていると小柄な誰かにぶつかった。
「った~っ。前向いて歩いてくれない、バルムンク?」
「ミストラル!」
本日・カイトと自分とパーティーを組む予定の呪紋使いである彼女は、カイトより早くここに到着していた。
「何考え事してたの?顔がすごい無表情なんだけど・・・」
「いや、大した事ないことだ。それよりカイトはまだか?」
ミストラルとバルムンクはカオスゲートのすぐ近くで彼を待つ事にした。
この二人の会話といえば、ミストラルが長々としゃべってから彼がああとかそうだなとかいうようなものだ。
果たしてこれは会話と言えるのか。昼間のせいか周りにPCはほとんどいなかった。

そして数分後、待ちわびていたカイトが現れた。
「ごめん、待たせちゃった?」
「全然待ってないよ♪・・・でもバルムンクがなんか疲れてるみたい。」
「心配しなくていい、ただ少し疲れているだけだ・・・っ、うわっ!」
階段を下りて記録屋へ行こうと一行は進み始めた・・・が、バルムンクがよろけた!
「バルムンクっ?!」
カイトは自分より背の高いバルムンクを支えようとして彼の前に回ったのだが、彼の体重を支えきれなかった。
つまり、二人して階段をゴロゴロと転がり落ちたわけだ。リアルだったら痛いに違いない。
「二人とも・・・大丈夫?」
ミストラルが軽快に階段を1段飛ばしで駆け下りてくる。
彼女が二人を見降ろすと、バルムンクがカイトの頭を守るようにして抱きながら倒れていた。
「ご・・・ごめんバルムンク!ぼくが助けようとしたのに逆に助けられちゃって。」
「・・・・・・」
「彼、気を失ってるみたい。とりあえずアジトで休ませないと・・・・・・ってまさか、重くて立ち上がれないとか?」
カイトが彼の腕を持ち上げようとしたが動かず、カイトは抱かれたままの格好であることに困惑した。
―――カイトはミストラルに目で訴えた。ミストラルはにこっと笑う。そして杖を振った。
「ファリプス!ほーらー、バルムンク起きて!」
光が彼を包み込む。肉体的傷は癒えたが、彼は動かない。どうやら、リアルのほうの精神がボロボロのようだ。
駄目か・・・と、彼の腕の中でカイトががっくりと脱力するのをにこやかに見つめたミストラルが提案を持ちかける。
「私いい事思いついたんだけど。これなら絶対バルムンク起きるハズ♪」
「何?」
ミストラルは目をつぶり、両手で杖を持って上を見上げる。
「カイトが彼にこう言うの、ぼくがいるから安心して・・・って。」
―――バルムンクはカイトのいない時の状態になにか不安があるに違いないから、これでOKのはず・・・
カイトは目をつぶったバルムンクの額に指をびしっとつけ、優しげにつぶやいた。
「何があったのか知らないけど、ぼくがいるからもう大丈夫・・・安心して。」



「カイト、すまない・・・」
バルムンクは先ほどの事が恥ずかしくてうつむいた。
「何いってるんだよ、ぼくにとってバルムンクが大切だからこうして一緒にいるんじゃないか」
カイトは自分の言っている事が彼の心に別の意味で響いているのに気付いていないようだ。
ミストラルはバルムンクの横を通る際に彼に耳打ちした。
「どさくさにまぎれてカイトを抱きしめてたのは誰でしょう~」
「・・・言うなよ?」
「あは♪」
さあどうでしょう、とミストラルはスキップした。先を歩くカイトが振り返り、どうしたのと尋ねる。
「うん、なんでもない。ただ、カイトってカワイイなと思って。」
「・・・っ、そんなことないよ!」
ミストラルの言葉で彼女以外のパーティーメンバーは顔を伏せた。
のちにミストラル最強伝説が浮上したのは裏の話。

PR

哀切なる約束の旋律

アウラ。キミは何をぼくに伝えようとしていたの?
書物と不正能力・・・・・・何を表しているの?

ぼくは何をすればいい?


--------------------------------------------------


Σサーバー ルートタウン フォート・アウフ。

ブゥン・・・
慣れた音がカオスゲートから響く。最初は驚いたけど今はなんとも思わない。
・・・・・・ぼくの日常生活の中のひとつにいつの間にかなってしまっていた、この音。
それと同じように、ぼくだけにあるデータドレインの腕輪もぼくの身体の一部になっていた。
事態が深刻化してミストラルは去り、ミアやエルクとは連絡不通。
痛かった。パーティーの中でもかなり古参だった、母親のように優しかったミストラルが去った事。
イタズラ好きなネコPCや超強力な魔法を使っていつも援護してくれた呪紋使いと会えない事。
気付いたら、ぼくの心になにかぽっかりと穴が開いていた。

でも、ウィルスバグの発生したとあるエリアへ行った事が新しい道を作るきっかけになった。
ぼくは新しい仲間を得たんだ。古参の仲間達を失って、気付いて、そして新しい仲間を得た。
その時とても嬉しかった。そして、そこへ向かったのが自分一人だったことを喜んだ。

今日は・・・・・・妖しげなエリアの探索でもしようかな。LVアップも兼ねて。
会えなかった人やゲームを止めていた人とも会えるようになった今なら気が楽だ。



「カイト」
今ゲートから現れたばかりの羽根のついた剣士が自分を呼んだ。
ぼくは振り返って彼に駆け寄る。
「バルムンク、おはよう!丁度今メールを出そうと思ってたんだよ。」
「そうか、丁度いい。LV上げを兼ねて高レベルなエリアにでも挑戦してみるか?」
「え、ぼくのLV上げにつきあってもらっていいの?」
「何を言ってるんだお前は!俺達は仲間だろう、それぐらい喜んで付き合うぞ。」
彼はカオスゲートのランダムを使い、適当にLVの高いエリアを選択した。
「これでいいか?」
「うん、いいよ。頑張ろうね、バルムンク!」



「・・・・・・哀切なる 約束の 旋律。なんかアウラ系じゃない?」
エリアに入ってから気付いた。哀切なる・・・が彼女を思い出させる。
しかも天気が暗い。雷である上に夜、そして雨。
「アウラ系、新しい単語の誕生だ。・・・それにしても遠足に不適な天気だな。」
「遠足を夜にはしないよι」
彼が暗雲で埋め尽くされた光のない空を見上げながらつぶやいた。
「アウラ、その存在は不明だ・・・。だが、お前の存在は確かだ。いくらあの力を使おうとも。」
思わず腕輪に目をやってしまう。まだバルムンクはこの腕輪に対して何か思うことがあるのかもしれない。
「だが、正しい心で使えば世界は救われる。お前だからこそ、アウラは渡したのかもしれない。」
バルムンクは難しそうな顔をする。そう言われるとなんだか照れくさくて笑いながら言ってみる。
「でも最初オルカに渡そうとしてたじゃない?ぼくはその代理なんじゃ・・・」
「そんな事を言うな!・・・言っておくが、こんなに無駄な会話をした仲間はお前が初めてだ。
だが、そういう会話ができる奴こそが真のパートナーなのかもしれないな。」
ぼくは苦笑いした。蒼天のバルムンクと名高い彼に「パートナー」なんて言われるとは思わなかった。
「ぼくはまだ力不足だよ。」
「一人で抱え込むな、カイト。なにかあったらなんでも相談してくれ。どんなくだらない事でもいいからな。」
彼が少し微笑んだように見えた。その微笑があまりに素敵で驚く。PCの表情とはいえ
声からも感情は伝わる。彼のPCがかっこいいからかもしれないが、自分には本当に素敵に思えた。
その素敵な人にパートナーだと思われていることがとても誇りに感じる。
「バルムンク、そうやって笑ってたほうがカッコイイよ。」
「笑う!?俺が?・・・・・・むぅ、意識してなかった。」
ぼくらは歩き出した。目的に関係のない話ばかりしながら。



「カイトー♪おはよう!」
「ミストラル、おはよう!・・・ってバルムンク?」
「すまない、もう時間なのでオチる。また誘ってくれたら嬉しい。」
「あ、うん・・・またね。」
「・・・私が来たからって逃げなくてもいいのに。」

星屑の彼方

Δサーバー水の都・マク・アヌに一人、双剣士の少年が現れた。と、そこへ。
「やっほ~」
「ミストラル!」
カオスゲートからキャピキャピしたギャル風の呪紋使い・ミストラルが出てきた。
ミストラルの手にはたくさんのアイテムが握られていて、よくみればレアものばかりだった。
「でも大した事なかったよ。やっぱりΛ以降の方がいいんだろうね・・・。うーん」
「少し持とうか?」
「ありがとー、カイト!」
少年の優しい言葉に甘え、彼女はアイテムをどさどさと彼の手に渡していく。
そして半分程度を彼に渡し終わると、妖精の預かり屋へ行くから来てくれる?と言った。
彼はヒマだったこともあって彼女に付いていくことにした。

が、このなにげない行動がのちに彼の運命を大きく変えることになってしまうとは誰も思わない。

「カイトにとって相棒・・・って誰なの?」
彼女はよたよたと歩くカイトを見ながら微笑んで言った。その問いに彼は首を捻る。
「相棒?旅の友でしょ?・・・誰かな。」
ミストラルはブラックローズとか?と、意味ありげな表情で尋ねる。
「でも、ブラックローズってお姉さんって感じがするんだよね。どっちかっていうと家族・・・」
「バルムンク」
唐突にミストラルがつぶやいた。
「へ?」
「だってバルムンクと仲いいじゃん~。コンビネーションもグー!じゃない?」
「確かにバルムンクと居ると安心できるけど・・・それが相棒っていうのかな?」
「いいの、いいの。そういうことで♪」
カイトは彼女の言葉の意味を理解できなかったが、彼女は別の話題に振った。
「ところで、お願いがあるんだけど、やってくれる・・・?」



同時刻、Λサーバータウン―カルミナ・ガデリカ。
白銀の鎧を身に着けた美形の剣士が路地を歩いている。
彼に、歩いてきた呪紋使い・ワイズマンが声をかけた。
「バルムンク、奇遇だな」
「ワイズマン・・・どうかしたか?」
「ミストラルから頼まれてな。こういうことなんだが・・・・・・」



「ミストラルも・・・よくこんなエリア見つけるなぁ」
カイトは一人で来てしまった事を後悔した。
なぜならここはレアアイテムばかり。プラスしてウィルスバグモンスターばかりのエリア。
カイトならとって来られるよね・・・?と、某レアアイテムを取って来るようお願いされたのだ。
「でもなんでボク一人で行かせたんだろう?・・・って、うわっ!」
彼が気配を察知した頃には周囲にたくさんのウィルスバグモンスターが集まってしまっていた。
剣を構え、見渡す。ざっと見ただけで4匹は居る。サイズはLばかりだし、一人ではつらいかもしれない。
「でも大丈夫って言っちゃったから頑張らないと!」
彼は余裕な表情でモンスターの群れの中に飛び込んでいった。

地下3階。さすがの彼も、広範囲に効くが身体には痛いドレインアークを使いすぎてヨロヨロだった。
それでも苦笑しながらなんとか最後の部屋に辿り着いた。
「うーん、ここで戻ったらバルムンクに言われるだろうね。無様だって。」
カイトは最後の部屋の前で回復をし、自分の受けた仕事には自信を持たないと・・・と気合をいれた。

が。

「えっ、ちょ・・・ちょっと待っ・・・、こんなにいるなんて聞いてないよ!」
入ってすぐ、S型モンスターが沢山居る事に気付く。しかも見事に属性がバラバラだ。
「オラバクローム!ラジュローム!ギライローム!」
片手に気魂を持ち、遠距離から魔法攻撃を浴びせまくる。
SPが尽きたらすぐに気魂を使う。繰り返してやっとデータドレインが可能になる所まで来た・・・!
「暴走しませんようにっ!ドレインアークーッ!!」

バチィイッ!!!!

「うわッ!・・・麻痺したっ!?まずい!」
カイトがドレインアークを使い、モンスターのバグが正常化された・・・が、腕輪は暴走した!
最悪の事態が訪れた。バグは戻ったものの、弱体化されたわけじゃないのが痛い。
彼は最後まで人のことを心配して叫ぶ。
「ミストラルー!ごめんーッ!」
「こんな時にまで他人の心配か、カイト。お前はそこでじっとしていろ!」
「バル・・・」
バルムンクは、なにかいいたげなカイトを左肩に担いで右手に握った剣でモンスターを薙ぎ払った。
全てを倒し終わるとバルムンクは彼を降ろし、睨みつけた。
「無茶はするな!」
「ごめん・・・・・・」
「まあいい、困った事があったら俺を呼べ。いつでも助けに来る。」



ミストラルとなつめがその会話を後ろで隠れて聞いていたのは彼らは知らない。
そして、ヘルバによって「カイトを担いで剣を振るうバルムンク」の画像データが世間に出回ったことも。

「ミストラル、あんた何仕組んだの?」
「ブラックローズに言ったらおこられそうだから言わないよ♪」
(あの二人なら姿形的にお似合いだし・・・今度からあの二人マークしちゃおうかな~)

× CLOSE

What's New

メニューはBlog上部にあります。
★ Readme>当サイトについて をご一読の上、自己責任でご閲覧ください★

HIT >>次480000

最終更新: 移転しました。(07/30)

管理人:古川晃
 

拍手・コメントなどお気軽にどうぞ

アンケート

Quickvoter

Q.第2回更新してほしいジャンル投票

主ミレ(DQ6)
主フロ(DQ5)
DQ9
海闇(遊戯王)
マテリアルパズル
その他
※作品傾向:エロ

ブログ内検索

management

アクセス解析

× CLOSE

Copyright © 天球ギャラリー : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]