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clown

「なにあいつ・・・」
ブラックローズが不機嫌そうに呟いた。
「ここまで来ておいて、何しに来た訳?」

とあるエリアで、彼と遭遇した。勿論、彼というのは蒼天のバルムンクのことだ。
彼はカイト達に出会うと、無言で一瞥し、立ち去ったのであるが・・・・・・

「彼は悪い人じゃないよ」
「だからってアンタが悪い訳でもないでしょうが」と、ブラックローズ。
「バルムンクだって・・・必死で何かを探しているような、そんな目だった」
「あたしから見たらあんたもそうなんだけど」
「・・・・・・っ」

その一言で、少し、カイトの声が漏れる。
無表情のまま黙ってしまったカイトに、少し考えるようなポーズを取ったブラックローズが改めて話し掛けた。

「いいんじゃないの」
「え」カイトが返事をする。「何が?」

「あいつが敵だって、アンタの想いは通じるわよ。
軽い気持ちじゃない、本当にアイツに対して何かを思う確信があるなら、時が解決するはずじゃない?」
どうやらブラックローズなりに真剣に考えてまとめた言葉らしい。
優しく、朗らかに、明るく、おおらかに。彼女の性格をよく表した、結論。

「ありがとう」
「いーえ、なんの。」
床に差していた大剣をぐさりと引き抜き、彼女はにこやかに構えた。
「じゃ、進もうか」
「そうね」




その日、数時間後。
Λサーバー・ルートタウン カルミナ・ガデリカ

夕暮れ時の薄暗いオレンジ色の空が、黄昏る。
その光は、ちょっと影のかかったような暗がりに位置する石畳の橋に届く事は無く、高い建物のガラス窓で反射している。
橋の柵になっている石が人の肩位まで積み重なっていて、そこにが紅い双剣士が寄りかかっていた。

「・・・」

彼は無言でカオスゲートを見つめた。

薄蒼い透明な水晶部分がチカリと光る。
カオスゲートは、青白い光を放ってゲートインを促し、促されて現れた一人の剣士が、彼に気付く。
歩み寄ると、相手は下を向いて黙りこくっている。

「なぜそんなに考え込んでいるんだ」
カイトは苦しげな表情で返す。
「それはバルムンクもでしょ?」
「・・・・・・」

今度は向こうが黙った。

「お前とは、ゆっくり話すときが来るような気がする。」
バルムンクは表情一つ変えず、立ち尽くしてつぶやいた。
「ぼくが・・・あの書を開かなかったら、違っていたかもね」
「そう願いたいものだ」
「また・・・」

カイトは下を向いたまま、うつろな瞳で、言った。
「会えたら、何か言って欲しいな」

一瞬きょとんとした彼は、笑顔で背を向けた。
「そうするよう、務める」



彼が足早で去ると、カイトは少し微笑んで、その方向を見つめた。
そしてゆっくりとゲートに近寄った。

ぼくは そんなに邪魔なのかな・・・

きみを想う事は 許されないのかな・・・

っておもってた…

「ぼくはきみを信じるよ」

そう言うと、ふわりと目を閉じて、青白い光に身を任せた。
行く先は・・・・・・メールで頼まれた。


Δサーバーの、ミストラルのところに。
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