忍者ブログ

天球ギャラリー

小説、イラストの保存庫です。
MENU
このサイトは次のURLに移転しました。
http://ten.zemlyan.com/
新URLへ移動します。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

crown

「こっちだ」
イベント告知広場で、バルムンクがカイトの手を引いている。
「今日のイベントはあれなんだが、どうする?」
「花畑なんだね」
「こんなのもたまにはよいかな、と」
「(笑)」

今日の限定イベントは春らしく、花畑。
二人組のパーティ限定のイベントで、なにかオプションがもらえるらしい。
エリアはΔサーバーで、90を越す彼らのLVでは余裕過ぎる所ではあるのだが、花畑というキーワードに釣られたようだ。
すでに告知広場には大勢のPCは集まり、オプションの話題で一杯だ。
種類は戦闘とも探索とも書かれていない。ただ、花畑と、オプションについてあるだけだ。

「行ってみたいか、カイト?」
「行きたいのはぼくよりバルムンクなんじゃないの?」
カイトはくすりと笑った。
「じゃあ、行かないか?」
「喜んで」

来た時と同じように、バルムンクがカイトの手を引き、駆け足で広場を去った。
有名PC二人を見つけた数人の物好きが、その跡を追いかけようとして、人に呑まれた。




そこは本当に花畑だった。

エリア内にダンジョンはないらしく、本来草原であるべきフィールドが一面の花畑になっている。
ご丁寧にも、bgmもお手製の可愛い音楽になっており、モンスターに似合わないファンシーなエリアと化していた。

「これは・・・リョ-スの石頭もよくやったものだ」
石頭、という言葉に苦笑いをしたカイトに、バルムンクはたずねた。
「なにか言いたそうだな」
「ううん、なんでもないよ。(笑)」

そんな二人の少し後ろに、銀の甲冑を身に着けた金髪の剣士と、その連れの女性PCが立っている。
「あの人って、ジークがいつも、負けたくないって言っている人?」
彼女に指さされ、ジークと呼ばれた男は苦笑した。
「それは言わないでくれよ・・・」
小さく、マイ、と呟いたようだったが、彼女には聞こえていなかったようだ。

その二人の前で、カイトとバルムンクはヒントを探していた。
「このエリアで何をすればいいんだろう」
カイトは、無意識に可愛く首を捻った。
その行動に目を釘付けにされながら、バルムンクはうなる。
「花畑だから・・・、当たりを探すイベントかもしれない」
といって見渡してみても、何を探せば良いのかも、見渡す限りの花のどこから探せばよいのかもわからない。
つまり、行き詰まった、ということになる。

「まさかとは思うけど、モンスター退治じゃないよね・・・?」
「ここからピッカリ草を探し出せという事なのか?」
バルムンクがしゃがみこんで、目の前の一本を引き抜こうとしたそのとき、その言葉に答えるかのように、花が変貌した!
「サウザンドツリー・・・?」
「これがボスなのかなぁ・・・」
二人は、まさかという顔でそれぞれの武器を構えた。

と、その時。

「分かったぞ、カイト!」
「何が!」
カイトは答えながら双剣で巨大植物を切り裂いた。
「このエリアはひたすら花畑なんだ!」
「・・・・・・答えになってないよ!」

モンスターを軽く倒してからふと横を見やると、宝箱が落ちている。
というか、ありがちなパターンだ。

「開けるの、かな?」
「当たりでありますように!」
何が当たりも何もまだ決まっていないというのに、彼は神頼みしながら気合を込めて宝箱を開けた。


ばん!!


『花冠』

そう、一言かかれた紙が入っていた。
紙切れ一枚以外には何もない。そう、何もない。

「はずれ?」
カイトの呆れた声に、バルムンクは慌てて答える。
「まだだ、まだ!実は紙に触れるとイベントが・・・」
バルムンクはがむしゃらに手を伸ばした。
その手のひらが紙に吸い付くように触れた瞬間・・・

ぽん!

「罠!?」
「物騒なことを言うな!・・・げほっ」

煙のエフェクトに巻かれ、本当に煙い訳でもないのに咳き込むバルムンクの手には、
実に可愛らしい花の冠が、ちょこんと乗っている。

「"花冠"・・・だね」
カイトが言うが早いか、バルムンクは手の上に乗っているその冠をカイトの頭の上にかぶせようとした。
「わっ、駄目だよ!ぼく似合わないから・・・」
「俺なぞもっと似合わん!」
バルムンクはカイトの帽子をひっぱり、脱がせると、その冠を無理矢理はめさせた。
「恥ずかしいよ、こんなの」
「よし、マク・アヌにデビュー(お披露目)だ!」
「駄目!というかやだ!」
「カイト、可愛いぞ!」
「可愛い、じゃないっ」


しばらくその場でばたばたと会話していたが、バルムンクがその手を引くと、二人は花畑をゆっくりと歩いた。

「恥ずかしいよー」
「もっと素直になれ。そうでないと俺一人が馬鹿に目立つんだ・・・」
カイトは、いきなりひらめいた瞳をバルムンクに向けた。
「"そうするよう、務める"」
「うわっ、やめてくれ!・・・その、あのころは・・・すまん!」
「ぼく悩んだんだよ」
「だから・・・・・・悪かったっ!」
「すっごい敵視されたし」

仕方がない、という顔をしたバルムンクが、大きくため息をついた。
苦笑するカイトに顔を近づけると、軽く唇を奪ってみせる。

バルムンクはエンジェル・スマイルで、これでもかというくらいの笑顔で、カイトに視線を送る。

「これで黙ってくれるか?」
「・・・っ!」



その二人を黙って見つめる、香住ことジークと水無瀬舞。
「・・・・・・花冠つけたい?」
「・・・」
PR

Comment

お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

Trackback

この記事にトラックバックする

× CLOSE

What's New

メニューはBlog上部にあります。
★ Readme>当サイトについて をご一読の上、自己責任でご閲覧ください★

HIT >>次480000

最終更新: 移転しました。(07/30)

管理人:古川晃
 

拍手・コメントなどお気軽にどうぞ

アンケート

Quickvoter

Q.第2回更新してほしいジャンル投票

主ミレ(DQ6)
主フロ(DQ5)
DQ9
海闇(遊戯王)
マテリアルパズル
その他
※作品傾向:エロ

ブログ内検索

management

アクセス解析

× CLOSE

Copyright © 天球ギャラリー : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]