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妖精の鏡12

水門を開けてもらいに山奥にある村に歩みを進めた。
リュカに比べて私の格好が目立つことが困りものだったから、修道院に居たときのような服を船員さんに提供してもらった。
絹のローブに毛皮のマント、また毛皮のフードを着けて、武器だけが妙に強そうだけれどもこれで大分旅人に見えるのではないだろうか。

一番奥の家に着いて戸を叩くと、スタイルのいい金髪の女性が顔を出した。

「はーい、なんでしょう」
「あの、サラボナから来たのですが水門を開けていただきたくて…」

女性が、あ、とリュカを見て驚いた顔をした。

「あなた…リュカ、リュカじゃない?!あたしよ、ビアンカ!」
「ビアンカ?!」

聞いたことがあった。
プックルを助けるためにお化け退治に乗り込んだ時一緒に行った幼馴染の少女の名前がビアンカ、聞いた外見も金髪にぱっちりした青い目だったから、おそらくこの目の前に立っている人がビアンカさんなのだ…。

「ほんっと懐かしい!ちょっとお茶でもどう?」


木で出来た家は温かく、手入れが行き届いていて綺麗だった。
リュカはビアンカさんにパパスさんのこと、ラインハットのこと、サンタローズのことを話した後、だいぶ間を省略して水のリングを取りに行く所だとだけ言った。

「水のリング?確かにこの村にも伝説はあるけどどうしてまたそんなものを…」
「サラボナのルドマンさんが必要としててね。
ルドマンさんは父さんの探してた天空の盾を持っているんだ」

幼馴染の女性の前で、私を婚約者だなんて紹介できないのかもしれない。
そう思った私は自然と口を開いていた。

「私はシスターのフローラと申します、ルドマン氏の依頼をお手伝いさせて頂いてますの。
この辺りは修道院から帰る時に通りましたしお役に立てるかと思って」

リュカの困ったような目が気になったけれど、せめて戦いではない所では役に立ちたかった。
幸いビアンカが何か気付くこともなく、すすめられるままに一泊して出かけることになった。
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