最近ユリシス女王さまは国政に熱心でございます。
ユリシスさまは身分にかかわらず人にお会いになり、世界の情報を集め、グビアナをより栄えさせようと奮闘しておられます。
王座の傍には黄金の台の上にこれまた黄金のトカゲが乗っておりまして…アノンちゃんなのですが、ユリシスさまとお話になった後、特に商人さまがたはご利益があるといって触っていかれます。
ユリシスさまは大人な女性に変わられたとグビアナの民は誰もがわかっておりますが、そのユリシスさまの知的で優艶な癖の中にわたくしジーラだけが知っている「真似」があるのです。
「乙女のための沐浴場の次は何がよいかしら」
ユリシスさまはご自分はアイデアを中心に考え、学者たちに経済の本を山のように読ませて経済効果を計算させておられます。
「どんなものがあったらグビアナに来たいと思うかしら」
「観光名所としての役割はもう十分に揃っております。世界広しといえどこれほど雄大な砂漠はグビアナだけ、昼の熱帯観光、夜のベリーダンス、甘い果実、盛んな商業、そして聡明な女王さま…。揃っております。国民を増やせばより豊かになるのではないでしょうか。来たいと思うかと住みたいと思うかは違いますゆえ」
うーん、とユリシスさまは唇に人指し指をお当てになります。
大臣も学者もその動きでユリシスさまのお顔に視線を集めました。
そう、これです。この動きなのです。
これは事もあろうことか、ロトさまの真似なのです。
ロトさまが考え事をしてらっしゃるときの癖なのです。
「父上が生きてらっしゃったころに世界中を回っておけばよかったわ」
ユリシスさまはロトさまの真似をしてからはっと立ち上がりました。
「…至急、いま栄えている街の表を作って頂戴。そこにグビアナ名産の支店を出すわよ!!」
学者たちがバタバタと走っていきます。
その間にジーラは冷たいジャスミンティーを差し入れておきました。
「ジーラ、学者の分も人数分、私と同じお茶を持ってきて頂戴」
「は、はい!」
「しっかり働いてもらわなきゃね」
ふふっと笑ったユリシスさまは小さくいたずらっぽく瞬いた。
「世界中にグビアナの名が知れ渡ったら、私の名が知れ渡ったら、ロトは驚いて立ち寄ってくれるかしら?」
ロトさま、ユリシスさまはがんばっておられます。
いますぐグビアナにいらっしゃってくださいまし。
お題元:http://members2.jcom.home.ne.jp/seiku-hinata/index.html
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