見習い天使にくっついて記録をつけてるんだけどぉ…流石にちょっとこれは注意したほうがいいと思うから言っちゃいますヨ?
「ナイン…それ左右逆ナンダケド…?」
きょとんと、幼げな顔をした少年がこっちを向いた。
「この三つまたのほうが左手なの?」
「三又ってアンタ…!フォークって言うのヨ!」
はぁーと盛大にため息をついた。ナイフを興味津々に見ている戦闘バカ(戦いと正義と平和に関してはピカイチ…むしろそれしか才がないのカモ…)が何かぼやいているからそっと近づいて耳を澄ませてみると…
「これは武器になりそう。切るにしてはちょっと小さすぎるし軽すぎるなぁ。サンディ、これって投げて使えるの?」
「そっちはナイフですからァアアア!食べ物を切るための道具デショー?!」
「だって僕こんなの使ったことなくて」
「今までどんな食事をどーやってしてきたのよ…」
どうやってって…、とナインはさも当たり前かのように笑った。
「普段はパンくらいしか食べないから手だったし、野宿だったら狩ったり食べたりは剣で全部足りるよ」
「アンタの食器は剣かっ!…アンタのお師匠サマは食器の使い方も教えてくれなかったワケ?」
「いやだから、剣で何でもできるようにって…そしたら困らないって言ってたのはイザヤール様なんだけど」
「人間と同じ食事もできないなんてどういうコト!そんな世間知らずな天使が人間救えるわけなぁぁぁいっ!」
ナインは、それに、とちょっと斜め下を見ながら言いにくそうに呟いた。
「イザヤール様は、実用性が第一って。あらゆるものを食べて耐性をつけないと毒を盛られるかも知れんぞ!って脅されたけどバブルスライムを食べるのは多めに見てもらったくらい…」
箱舟の中で出会ったツルピカの天使を思い出してみた。アレとナインが野宿をしながらモンスターを食べてる所を想像してぞっとした…。
「わかった、わかったわよ…!せめて、せめて人間が食べて平気なモノを食べなさいっ」
世界を救うかもしれない天使がモンスター食べてて、ナイフとフォークも使えなくていいんでしょーか…。テンチョー、アタシは不安デス…
おしまい。
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