
ロトが賢者に転職しました。
そしてエルギオス一段階を余裕で突破!
SSS
「僕にはこのほうが向いてる」
そう言ってロトは杖を鳴らした。
念願の賢者になれたことがそんなに嬉しいのか寝る暇を惜しんで魔法書を読みふける兄の姿を、ナインは無言で見つめていた。
「ロト」
「ん?」
ナインはベッドにうつ伏せで寝転がりながら頬杖をついて言った。
「死んだらだめだからね」
「どういうこと?」
ロトは当たり前といった表情で聞き返すが、ナインは真面目に言った。
「賢者になってもっと体力減ったでしょ。
ロトが倒れたらおわりなんだからね、魔法もいいけど体力つけてよ」
いままでの戦術はほとんどが「攻撃は最大の防御」だった。
こんなことを師匠に知られたらなんと言われることやら…
だからお前たちはいつも無謀だと言っているのだとか
計画的に物事は進めなさいだの、
想定外のことが起こることも考えて余分に持っていけだの…
ナインがガンガン攻撃するのはわかりきったことだが、
ロトもほとんどの場合ギガスラッシュを使うし
(そして回復は主にベホマラーという手抜きなんだか浪費なんだか)
大ダメージや状態異常に弱いパーティーなのである。
「まあね、ギュメイ将軍にはやられたよ」
ロトは、一生懸命作った割に効果がなかったスーパーリングを指先で回した。
「ロトのことだからメガンテ的なことは考えてないと思うけどー
そういうの絶対だめだから!ロトが死ぬならわたしも死ぬ!」
「わかったわかった!!そこまで!そこまでだって!」
ロトは魔法書を閉じ、師匠や友達に先立たれて寂しいのであろう妹の頭を撫でた。
ロト自身は一人遊びのうまい子だったのでそういった気持ちはよくわからないが、マイペースで明るい妹が塞ぎこんでいるとどうも調子が狂う。
「生きて帰ろう」
ナインが小さく返事するのを聞いて、ロトはランプの明かりを落とした。