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天球ギャラリー

小説、イラストの保存庫です。
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新世界のオルゴール4

白い壮麗な城は明るく、海底にあるとは思えぬ光に満ちていた。
銀色の長い階段を上ると、蓮の咲いた王座から声がかかった。

「イズュラーヒンとその仲間たちよ、あなたがたが来ることはわかっていました」
「ルビス様」

紅蓮とも桜とも見える紅いやわらかな長い髪が、水の反射するきらめきで気のせいか一瞬青色に見えた。
翡翠色の柔和な瞳がゆっくりとまばたきをする。
純白のローブを纏った女神は、一同が全員階段を上りきると、わかっているにも関わらずあえてたずねた。

「今日はどうしましたか」
「…わかっているのに聞くんですね」
イザは苦笑した。
ルビスは困ったように微笑んだ。
「わかっていても、先に言ってしまっては、歴史が変わってしまいます」
「ああ、そうでした」

「ルビス様」
ミレーユが口を開く。
「昨日、わたしとテリーの所に、銀色の髪で耳の尖った男が現れて、わたしたちは人でないと…わたしたちは神々につくられたのだとか、実験台なのだとか…。
本当の親を知らないくせにとか言ってきました。
オカリナを作ってくださったルビス様なら、わたしたちの本当の親を知っているのではないかと思って」

「…」
ルビスは目を閉じた。
数秒後、ルビスはためらいがちに口を開いた。

「話すときが来てしまったようですね。夢の城にある卵と、新たな世界の話を.

昔、ムーという国がありました。人間の王国です。
この国は神々からさずかった魔法の玉を使って強力な武器を作り、世界中を我が物にしようとしていました。
神々との約束で、人と戦うための武器は作ってはならないとあったはずなのですが、彼らは欲に負けて破滅の道を選んでしまいました。
人だけでなく、人が増えるにしたがって、エルフやドワーフのような別の種族は追いやられて数を減らしていきました。

神々はムーを滅ぼすことに決めましたが、魔法の玉を使わずに神々のための武器を作ることを条件に清い心を持った者は救うことにしました。
人間の鍛冶職人は自分の力では硬すぎる金属を強化できません。
そこでドワーフの力を借りました。
今度は火の温度が上がらなくて金属が溶けません。
そこでエルフの力を借りました。
人間とドワーフとエルフは協力して神との約束を守ることができました。
彼らは共に生きることができると証明したのです。

そして選ばれた人間たちは別の世界へと運ばれ、新たな地で生活を始めます。
今度は、人とモンスターの戦いが始まります。
魔王が倒れても、生き残った配下がまた復讐を繰り返す。
モンスターと人は共存できないのでしょうか」

ルビスは一息ついた。
「イザ、あなたならわかるはずです。この答えが」
魔物使いであったあなたなら、と添えた。

「俺は、モンスターの中にもいいやつはいると思っています。
人間の中にも最低なやつはいます。
それと同じ…モンスターとは言葉は通じないけど、心を通わせることができると思います」

「テリーはどうですか」
一瞬躊躇ったがテリーははっきりと述べた。
「デュランのように、魔であってもしっかりしたやつはいた。
あいつは魔物だったが、葛藤していたし、純粋な思いを背負っていた。
魔物の中にも権力争いがあった。魔物の中で強さを表す一つの指標が、人にいかに残酷になれるか、強くいられるかだった…」

「そうです」
ルビスはやんわりと微笑んだ。
「魔物も人も、本当は共存できるはずです。
人同士のように。
バーバラが孵す卵にはその役割を背負った者が眠っています。
新たな世界を作って、人と魔物が共存できる世界に育てるために」

「夢の世界では、スライムがチャンピオン目指して戦う闘技場があったね」
バーバラが言った。
「あたしはそういう世界見てみたいな、人と魔物が楽しく一緒にお酒が飲める世界が」

「…テリー、ミレーユ、あなたたちの親は夢の城にいます」

ルビスは立ち上がって、二人の手をとった。

「不安になることもありましょう。
しかし、あなたがたが歩んできた道より、それは不安なことではありません。
あなたがたにはかけがえの無いものがあります。
孤独に背負う必要はないのです」
あと、とルビスは言う。

「いやなことは、はっきりと、いやですと言うのですよ」
笑顔がとろけるように優しかった。


(つづく)
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新世界のオルゴール3

静かな海の世界に、一隻の船が現れた。
人魚の琴をかき鳴らし、繊細な泡に包まれた豪奢な船である。

「ルビス様の神殿はこの辺りだったっけ?」
イザは地図から顔を上げた。

宴会の途中に妙な男が現れ、テリーとミレーユに不穏な言葉を吐いていったあの事件の翌日、事情を聞いて居ても立っても居られなくなったイザ一行は、帰ってきたのもつかの間、ちょっとルビス様の城に行くと言って城を後にした。
ルーラで近くの町にとび、そこから魔物が減った平和な海に船を進め、人魚の力で海底にもぐった所だ。

「それにしても妙だよな」
腕を組んでハッサンが言う。
「そいつは何を言いたかったんだ?」
「あいつは人じゃなかった…」
テリーが顔を上げた。

「耳が尖っていた」
「海の精とか…人魚の部類はそうだけど、あとは童話でしか見たこと無い妖精とか」
「魔物に近いかもしれませんね」
チャモロも頷く。
「あの男、見えるわけでもないのに一直線にテリーさんの所に歩いていました。
テリーさんは影にいたので普通は見えません」
「…あの男、わたしたちの親がどうのっていってたわ…。確かにみなしごだけど。
本当の両親のことは覚えていないけど…。
とうさんとかあさんが拾ってくれたところからしか覚えていないけれど」

ここによる前に立ち寄ったガンディーノでジャームッシュとマルタに聞いたところ、二人を最初に見たのは冷たい雨の日で、傘もなく布の服一枚のミレーユがテリーを抱きかかえてじっとうずくまっていたという。
テリーはまだ赤子であった。
その布にミレーユ、テリーと書かれた紙が挟まっていたと。

「この書き方、どっかで見たことがあるような気がするんだよねえ」
ミレーユの持つ紙を覗き込んで、バーバラが言う。

「ほら、この筆の使い方、今じゃしないでしょ。
Mの書き方がちょっと古めかしいっていうか。
あとこの紙とインクちょっとヘン」
「そうね…もうすごい前のものなのに新品みたい」

ふと、ついていた折り目を伸ばすと皺がなくなった。
驚いた一行は目を合わせ、もう一度ミレーユが折り目をつけ…開いた。
「なんてこと…」

やはり皺はなくなっていた。

これもやってみましょう、とチャモロがコップの水を紙にかけるが紙は湿らずインクもにじまない。
バーバラがメラの炎をかざしても焦げず、やぶこうと力を入れても薄い癖に鉄のように硬い。

「なんなんだこの紙は!」
「これは世紀の発見ですよ!」
「すごい素材だぞ!」
「素材がすごいんじゃなくて魔法でもかかってるんじゃないのか…」

船に影がさしこんだ。
白い城壁が見え、壮麗な城門に近づいている。ルビスの城に着いたのだ。

「いこう」
イザは一同を促す。

「ルビス様に聞いてみよう」


(つづく)

新世界のオルゴール2

レイドック城のテラスに、二人の人影が見える。
一応立派な格好はしているが着崩しすぎて王族というよりモデルのように見える青年と、珍しく騒ぎすぎたのか髪の毛があちこちほつれている女性である。
二人は旅のことをいろいろ振り返って懐かしげに話をしていたが、ふと青年はまじめに女性を見つめる。

「いつ、また会えるかな」
女性は驚いて、微笑んだ。
「いつだって会えるわよ」
「だって毎日一緒に居たのにさ、いざはなれるとなると」
「私…占い師の修行がおわったら」

女性が何か言おうとしているが、言葉にするのをためらっているのか先が出てこない。
青年は女性の肩を抱いて、顔を寄せた。

「待ってるから…」
「ほんと…?待っててくれる…?」
少女のような心細そうな言い方をする女性に、青年は優しく語りかけた。
「俺が記憶を取り戻すのを、ずっと待っててくれたじゃないか。
サンマリーノでこっちは初対面でさ、あんた呼ばわりして、散々疑ったりしてさ」
「それはもういいのよ、ムドーのせいだし、仕方ないことだわ」
それに、と女性は言う。
「記憶が戻ったあなたは、前より何倍も素敵になってるわ」
「釣り合う男になれたかな」
幸せそうな二人が、急に顔色をかえた。

血の臭いが風に乗って流れてくる。
「…!」
戦い慣れた二人は身構え、屋根の上に目を留めた。

黒い影が立っている。影は手を広げ、乾いた笑いで二人を見下ろす。
「ガンディーノの魔女。人になりきったつもりか」
「…なんのこと」
女性が警戒した声で答える。
「貴様らは人ではないのに、世界が平和になったとかで喜んでいる。
神につくられた存在め。
人が平和になるために、不幸にならなければならなかった存在のおまえたちは、今でも試作品のくせにと、貴様の弟に説教してきたところだ」
「テリー…?!」

「この傷は弟がやった!私は正しいことを教えただけなのにな、ククク…。
本当の親を知らず、存在意義を知らず、運命は過去のことで今は自力で切り開いていると思い込んでいる…警告だ、これは警告なのだよ!」

「ねえさん!」
剣士が廊下を走ってくるのが見える。
「そいつを斬る!」
「待って!」

女性は男を睨んだ。
「あなた何を知ってるっていうの?警告?どういうこと」

男はゆらりと動き、屋根の上から飛び降りていなくなった。

「これは警告なのだよ…」

男の残した不穏な響きが、血の臭いと共にその場に残されていた。


(つづく)

新世界のオルゴール1

闇の中、明るい光と騒がしい音が聞こえる方向がある。
その城の名はレイドック、言わずと知れた世界の勇者の居る城である。
今宵は大魔王デスタムーア討伐の帰路についた王子イズュラーヒンとその仲間たちを祝福する宴であるから、酔いすぎるのもいたしかたない。
民が酔いしれ、兵が武器を放り出して酒を手にするこの日、世界から見たらなんの不安もなかった。
そこに一人の男が、一部限られた者の元へ不安を持ち込もうとしていた。

騒がしい城内では男の姿は不審に見えないらしい、男は民にも兵にも目をくれず、勇者たちの居る場所を目指してしっかりとした足取りで歩いていた。
それこそ見なくても場所がわかるかのよう。
男がゲントの子の側を通ると、黄色い僧服の少年ははっと振り返った。
完全に出来上がっている大工の息子と孤島の大魔女は男に気付く様子もない。
少年は男に気付いた青い稲妻が歩き出すのを確認して男から視線をはずした。

「おまえ、何者だ」

人気の無い廊下まで後を付けてから、軽い殺気を放って、青い稲妻は問う。
「…天空の使いとでも名乗ろうか」
男は低いしゃがれた声で笑った。
黒いフードに皮の鎧、足に巻きついたボロボロの包帯、明らかに異質な男は続ける。

「くくく…世界のはざまが消えるとき、おまえたちはどうなるかわかっているのか。
親がわからぬガンディーノの姉弟よ」

剣士は目を見開いた。腰にさした剣は男の首にぴたりとつけられた。
「貴様らこそ、夢の存在であること」
男は動じずに続けた。
「試験体であること」
「黙れ」
「何も知らずに幸せなことだ」
剣士の美しい顔が険しくなった。
「何が言いたい?」
「貴様らは人ではないのに呑気だと言っているのだ」
「何を言っている…」
男はフードをぱっと払う。
「…!」

「どの世界も神々の審判にかけられるのだ。
神々はより争いのない世界を目指そうとして改良を続ける、その実験台なのだよこの世界は!」

剣士と同じ髪の色で、耳が尖った男は盛大に笑った。
「おまえも、姉も。次のステージへの踏み台なのだ。
世界平和を達成して喜んでいられるか。おまえたちの運命など仕組まれたもの、おまえの姉が人の欲望に巻き込まれることも、おまえが魔王の手下になることも、すべて仕組まれていた!おまえは実験台なのだ!」

「黙れ!」
剣士の振るった剣は確かに男を切り裂いた。
しかし、男はその場に居らず、今のことが現であったと証明してくれるものは剣に付いた赤い血だけであった。

「ねえさん…!」

剣士は走り出した。


(つづく)

7/8更新とコメント

・小説 主ミレ18禁前編「今更だけど言わせてよ」
・イラスト ミレーユ着せ替え
・イラスト ガンディーノのきょうだい

予告した出生モノはまだです!
三話くらいまで書けてるんですがまだ書き足したい!


●DQ6「今更だけど言わせてよ」

「今更だけど言わせてよ」はサーバーの都合上、RSSに載りませんがちゃんとアップされております。DQ目次から飛んでください。
ミレーユはいっぱい知識はあるんです!だからきっと妄想はすすむとおもいます!だからよく濡れるんです!(え?)
たぶん後編が一本出ます。もちろん大人向けです。レッツエンジョイ。大人の権利。
うん、書いてて何がいいたいのかわからなくなってきました。

●DQ9「双星記」進行状況

エルギオス2段階に勝てなくて、
はぐれメタルオンリー地図でLV上げをし(賢者・魔法戦士。両LV50)
それでもマダンテと痛恨の一撃と焼け付く息に勝てなくて3連敗しtt
やっとこさ勝ってきました。

痛恨が一撃250くらいなのでHP280は保たないと死ねます。
ロト(賢者)がHP300ちょい、ナイン(魔戦)がHP350くらいです。
攻撃はバイキルトで双竜打ち一撃540、ライトフォースで940くらいです。
エルギオスのMAXHPが少ないおかげで攻撃さえできればあっさり倒せました。

ジャンルアンケートによるとDQ9はオファーがないので
DQ6→遊戯王、マテパ、DQ5の更新をしてから一気に更新したいと思います。

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