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天球ギャラリー

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双星記LV16



ベクセリアにて。

ロトはちょっとルーフィンに近いところがあるので、
ナインがルーフィンをぎゃんぎゃん言うのに対してルーフィンのフォローをしたりします。




小SS

ベクセリアは町とは言えど、外から見ると要塞のようである。
狭い入り口の脇には門があったらしき跡が残っているし、階段が多く、町の中から外を見ることができる作り、障害物が無く見渡せる草原…
「どうです、ロトさん。ベクセリアの造りって面白いでしょ」
「いやー面白いです。こういうの好きなんです僕」
興奮して話すルーフィンとロトを横目で見て、サンディとナインはため息をついた。
「歴史オタクというか、建造物オタクというか…」
「わたしは生き物のほうが好きだな…」
病魔の事件の後、ルーフィンは子供たちに勉強を教えるようになった。
エルシオン学院の受験対策にもってこいだという噂がどこからか流れたおかげで、セントシュタインだけでなく遠い町からもベクセリアに引っ越してくる人が増え、病魔で減ったように思えた町の人口と活気はすぐに元通りになった。
「ねえ、ナイン」
サンディは階段の上から町を見渡した。子供たちのはしゃぐ声が聞こえる。
「人間って不思議だね。あんなにヤバソーってなってたのに、もう何もなかったみたいな」
「そだね。…色々激しいんだね。減ったり増えたりさ」
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双星記lv1

天使界は驚きと期待に満ちていた。いよいよ、最後となるであろう星のオーラを捧げて天の迎えを受けるときが来たのだと天使たちは語り合う。その中、主役と思われる少年が颯爽と歩いていた。ウォルロ村の守護天使ロト、イザヤールの弟子の見習い天使である。
子供っぽい柔らかそうな焦茶色の髪。そして意思の強そうな瞳は黒曜石のようである。師匠の頑丈そうな見た目と対照的にすらりとした身体をしていて…悪く言えば弱そうだ。ただ、剣を腰にさしているスタイルだけは非常に似合っている。
いま彼のもつ星のオーラを捧げれば世界樹は実を結ぶ。師匠と長老は既に屋上、タイミングは彼に任かされているといっても過言ではないが、彼は寄り道せず生真面目にもまっすぐ屋上目指して歩いていた。
「ロトー!」
「うあっ!」
手すりのない階段の背後からロトを突き飛ばした人物は微笑んで翼をはためかせた。
「ずるいぞーロトー!ロトで星のオーラ集める仕事が終わっちゃうかも!」
「ナイン!」
彼女はロトの双子の妹でナインと言う。兄妹と言えど双子なので大して差がなく育った二人だが、守護天使まで二人で行うわけにはいかない。仕方がなく誕生順ということでロトがウォルロ村を継いだのだ。だからナインの不満は兄もよくわかっている。
「わかったわかった、一緒にいこう」
双子の男と女は分かり合えるような分かり合えない感じだって師匠が言っていたっけ、ロトはナインに聞こえないように小さくつぶやく。
ナインは桜色のストレートヘアを肩まで伸ばし、女らしい華奢な体つきをしている。海色の瞳は藍玉のようで、ロトと並ぶと色は似ていないものの、宝石がはめ込まれているような目元がそっくりだ。鼻筋や笑った顔なども、この兄妹は本当によく似ている。ナインの腰には皮の鞭が括り付けられていた。

ロトとナインが天使界の屋上に着くと、長老オムイと師匠イザヤールが振り返った。
「来たかロトよ、そしてナインよ」
イザヤールはほほえましく言う。
「双子でも仲が良いのはいいことだ」
「誰かとは真逆じゃの」
オムイの笑い声にイザヤールは顔をしかめた。
「…ともかく、その星のオーラを捧げればおそらく女神の果実が成る。そして我々は神の元へ行くことができるという」
天使たちは薄暗い空を仰ぎ見る。
「そしてその道を開き、神の元へいざなうのは天の箱舟…さあ、ロト、ナインよ。おまえたちの持つ星のオーラを世界樹にささげるのだ」
見習い天使の兄妹が歩みを進める。
「せーの、」
四本の腕が星のオーラを掲げると、世界樹がきらきらと輝き始め、薄暗い空に金色の粉が舞った。
「す、すべては言い伝え通りじゃ…!」
後ろからオムイの興奮する声が聞こえる。線路もない広い空をこちらめがけて走ってくる金色の列車が見え、イザヤールも驚きの声をあげた。
「天の箱舟が来た…!」
箱舟が近くに停車したそのとき、一筋の黒い光が列車を貫いた。
「んなっ?!」
激しい音とともに金色の列車が落ちていくと、空には暗雲が立ちこめ始める。
「何が起こったんだ!」
「イザヤールさま!箱舟が地上にっ」
「馬鹿な!どういうことだ?!」
ナインが下を覗き込んだそのとき、何本もの黒い稲妻が地上から空へと突き抜けた。
「地震だ!」
イザヤールの叫びが聞こえ、ロトはオムイの手を引き世界樹の幹に捕まるが、あまりの揺れに立っていられず根にしがみついた。
「どういうことじゃ?!わしらは…だまされていたのか?!」
オムイの声が稲妻にかき消される中、ロトはナインの姿を探した。悲痛な叫びは激しい上昇気流に飲み込まれ、天使たちを嘲り笑うかのように地上から怪しい光が放たれる。
「ロト!」
ナインを探すロト自身が手を滑らせ宙に浮いてしまいイザヤールとナインが手を伸ばしたそのとき、一際大きな揺れが天使界を襲った。その振動で世界樹に実った果実が枝から落ちてしまった。
「ああ!果実が!」
「ナインやめろ、ロト、こっちへ!」
果実を掴もうと飛んだナインと宙に流されたロトを地上から巻き上がった風が飲み込んだ。それが最後であったかのように風は止み、抜け落ちた白い羽が数枚、ひらひらと階段の上に舞い降りていた。
「…ロト!…ナイン!」
イザヤールの叫びにオムイが目を開けた。二人の目に見えるのは何事もなかったかのような青い空と、明らかに何事かが起こって壊れた建物だけであった。

双星記LV14

「それにしても頑固な王様だったね」
ナインは田んぼのかかしを蹴飛ばし、足元のキメラの翼を拾い上げた。
「レオコーンの話を嘘だの、褒美はおあずけだの」
「娘を想う父親ってもんなんじゃないか。リッカのお父さんもリッカのために色々苦労してたみたいだし」
「ロトはリッカの話が多いよね」
ナインは冷たい目でロトを見上げた。
「ウォルロの天使ロトさまですものね」
「まぁまぁー」サンディが割って入る。「そろそろエラフィタ村に着くよ」
レオコーンを心配したフィオーネ姫は、昔ばあやに聞いたというわらべうたの中にルディアノという言葉があった気がすると言い、ルディアノを探すのを手伝ってあげてほしいとロト達に頼んだのである。そのばあやは今エラフィタ村に居るという。

エラフィタ村は巨大な樹の根元にあった。村人によると樹はご神木であるらしい。村の中心が樹であり、こじんまりとした宿屋やよろず屋、村は平和そうな様子である。守護天使像は壊れており、誰が守護していたのかわからない。こないだの大地震で壊れてしまったのだろうか。入り口からぐるっと回って一軒の家の前を通ると、中から賑やかそうな会話が聞こえてくる。
「あ、おばあさんが二人居る」
ナインがロトを手招く。
「すみませんー」
「あら、お客さんとは珍しいね」
二人の老女がテーブルを挟んでお茶をしているところである。
「こちらにフィオーネ姫に仕えていたばあやがいると聞いてきたんですが」
「それならこちらのソナちゃんですよ」
「ええ、あたしがフイオーネ姫のばあやをしていた者ですじゃ。どんなご用ですかのう」
「姫に頼まれてルディアノという国を探しているんです。わらべ歌の中に出てくると聞いて、その歌を聞かせていただきたくてきました」
「黒バラわらべ歌だね?クロエちゃん合いの手を頼むよ、それっ。ヤミにひそんだ魔物を狩りに黒バラの騎士たちあがる~。みごと魔物を討ちほろぼせば白ゆり姫と結ばれる~。騎士の帰りを待ちかねて城中みんなで宴の準備」
「あそーれ!」
「それから騎士様どうなった?北行く鳥よ伝えておくれ~ルディアノで待つ白ゆり姫に~ 黒バラ散ったと伝えておくれ~北行く鳥よ伝えておくれ~黒バラ散ったと伝えておくれ~」
「ああ…」ナインはつぶやいた。「黒バラ、散ったんだ…」
「結局騎士は帰らなくてね。お姫様は待ち続けたんだけども永遠に結ばれなかったっていう切ない話なのよ」
「切ないですね…」
「それにしてもルディアノってどこにあるんだろう」
「北行く鳥っていうくらいだから北にあるんじゃないかねぇ、でもルディアノなんて国聴いたこと無いけどねぇ…。ほら、セントシュタインはよく行くけど北は危なくって」
お礼を言うロトとナインに、クロエばあさんは意味深に微笑んだ。
「待つっていうのは大変なことなのよ」
その微妙な言い方では若いロトとナインにわかるはずもなかった。

クロエばあさんの家を出た三人はご神木を背に話を始めた。
「散ったってあったよね、でもレオコーンは生きてた」
「永い眠りについていたとか言ってたような…」
「あのおばーさんたちも知らないくらい昔の話みたいヨ?わらべ歌って」
「木こりよなぜ逃げる!」
サンディの声を激しい声が遮った。
ロトたちは村の入り口に黒い人影が駆け込んでくるのをみた。
「ちょっ、レオコーン?!」
「オラ、森の中であんたのことをさがしている女の魔物に出会っただっ!真っ赤な目を光らせながらわがしもべ黒い騎士をみなかったかってよぉ…あんた、あの魔物のしもべなんだろ?!」
「この私が魔物のしもべだと?何を馬鹿なことをっ」
「…レ、レオコーン!」
慌てて走ってくるロトに気付いた彼は、驚いたように声をあげた。
「ロトではないか。なぜここに?」
「はぁはぁ、ルディアノの手がかりを探しにきたんです」
「私のために…すまない。なにかわかったことはあるのか?」
肩で息をするロトの横に、ゆっくり走ってきたナインが並んだ。
「あなた、黒バラの騎士って呼ばれてなかった?」
「む、なぜそれを」
「わらべ歌の中にあったのよ、ヤミにひそんだ魔物を狩りに黒バラの騎士たちあがる~って」
「なに?!歌に?!どういうことだ!」
ナインはロトの手から紙を奪い、レオコーンに見せた。
「確かに私は黒バラの騎士と呼ばれていたが…わらべうただと?私はおとぎ話の住人だとでもいうのか?」
そう言いつつもレオコーンは紙をまじまじと見つめた。
「北行く鳥…北…手がかりは北というだけか。ならば北行く鳥を追うとしよう!」
レオコーンは村人の視線も気にせず勢いよく村の外へと駆け出していった。
「ロト、追うよ!ほらっ」
「レオコーン…馬ずるいぞ…」
ナインに腕を引かれつつロトは呻いた。

双星記LV13



セントシュタインの城からほどなく、シュタイン湖と呼ばれる湖がある。さほど大きくないが、緑が美しく、ベクセリアの山々とエラフィタ川を背にして今も昔も変わらぬ美しさを保っている。
大地震の後、平和なセントシュタイン地方にも魔物が増えたためシュタイン湖に向かう人の数は減った。その中、大きなカタツムリの魔物や猫魔導が徘徊する中を二人の天使そして妖精が一人歩いていた。三人は湖に着くと辺りを見回すが、黒騎士の姿は見えない。
「呼びつけておいて居ないとかどゆーことヨ?」
ガングロ妖精のサンディは不平を口にしつつ、待ってみる?と付け足した。
「待とう」
ロトは剣を鞘に戻し、木の幹に寄りかかった。

日も暮れ、湖面も赤く染まってきた頃、耐えかねたサンディが大声を上げた。
「ちょっとぉ、いくらなんでも待たせすぎじゃないっすか?!もう帰ろうよ、暗くなっちゃうじゃん」
そう言って帰る素振りを見せ、くるっとサンディは振り返った。
「なぁ~んてねっ、冗談冗談!ここまで待ったんだかそろそろくるデショ!ほら振り返ったらそこに…なぁ~んて、ぎゃあああああ」
「サンディ!」
「妖精…?なぜここに?…姫は?」
「あたしが見えてるっ、どゆこと?!」
ナインは背にサンディを庇って、黒騎士をしっかりと見つめた。
「あなたは姫になんの用なんですか?シュタイン湖に呼ぶなんて」
「答える必要は無い。お前たちに用は無い!」
馬に乗った騎士は重そうな槍を繰り出した。バチバチと槍に電気が走り、さっきまでナインが立っていた場所をなぎ払った。
「うわ、痛そう…!」
きっ、とナインは騎士を睨んだ。
「人の話を聞かないで槍で返すなんて酷い騎士さまね!」
「そんなこと言ってる場合か!」
ロトは腰につけた剣を抜く。
「僕たちは輪と羽根がなくたって戦える!でぃやああああああっ!」
騎士の槍を兵士の剣でつき返し、ロトは勢いをつけて騎士に飛び掛った。騎士は一度槍を腰元に引き寄せ、細かく突き出す。ギリギリのところで体を反らしてかわしたロトは馬の鼻面を蹴飛ばした。
「ヒヒーーーーン!」
その隙を狙ってナインのいばらの鞭が馬の足を捕らえ、騎士を馬の背から叩き落した。
「くっ」
騎士はすばやく体勢を立て直し、足を軸にして大きく槍を振り回して二人を寄せ付けまいとする。鞭が槍の軌跡を遮るように挟み込まれ、槍に鞭が絡みつく。ナインが鞭に全体重をかけて押さえ込む間にロトが騎士の首元に剣を突きつけた。
「答えろ、フィオーネ姫をさらう目的はなんだ」
「フィオーネだと…?あの姫はメリア姫ではなかったのか?!」
「メリア?」
ロトは怪訝そうに言った。
「誰ですかそれは」
「私は長い眠りについていた…眠りにつく前、私が婚約していた姫の名だ。ルディアノという国の姫で」
「じゃああなたはルディアノのメリア姫を探してたの?」
「ぶっちゃけまとめるとサ、フィオーネ姫と元カノを間違えちゃったワケ?ちなみにアンタが脅したお城はセントシュタインってゆーのヨ?」
黒騎士はうつむきながらためらいがちに答える。
「…姫が異国にさらわれたのかと思ったのだ。なんということだ……。言われてみれば、彼女はルディアノ王家に代々伝わる、あの首飾りをしていなかった」
「なんとまあ早とちりな騎士さまだこと。そんなに似てたの?」
サンディはため息をつく。
「だからわたし、人の話も聞かずにって言ったのよ」
と、ナイン。
「じゃあセントシュタインに危害を加えようとかではないんですね?」
ロトの問いに黒騎士は大きく頷き、
「私は深い眠りについていた。そして、あの大地震と共に、なにかから解き放たれるように、この見知らぬ地で目覚めたのだ。しかし、私は、自分が何者かわからぬほどに、記憶を失っていた。城下町であの異国の姫を見かけた時、ただひとつ思い出せたのが、メリア姫のことだった…すまなかった。私は謝りに行かなくては」
と立ち上がる。
「ちょっ、待った待った、アンタが行ったらまた誤解を招くって!」
「それもそうだな…」
騎士は腰に手を当てしばし考え込んだ。
「ではそのことはそなたらに頼もう。城の者達へ伝えておいてくれないか。私はもう城には近づかない、と。ルディアノ城では、きっと本当のメリア姫が私の帰りを待っている……」
馬を引き寄せ、彼は鉄仮面の向きを直した。
「待ってください、僕はロト、こっちはナインとサンディ。あなたは」
「レオコーン」
レオコーンは馬にまたがり、すっかり日の落ちた空を仰ぎ見た。
「私はルディアノを探しにいかなくては。頼んだぞロト、ナイン」
手綱を引き、馬は北のほうへと駆けていった。

双星記ってどんな作品?

双星記(そうせいき)は、
ドラクエ9をダブル主人公でプレイしたら…という設定の作品です。
仲間として加わる予定はイザヤールのみで、基本的に二人で進めます。

実際にプレイしながら途中途中にスクリーンショットや
小説やイラストをつけつつ進めたいと思います。



※兄=ロト、妹=ナイン
※配色・髪型等は公式に近づける感じで設定しました。

・ウォルロ村の守護天使は兄が継ぎました。
・兄はウォルロでリッカに拾われます。
・妹はセントシュタインで町の人に拾われます。
・兄妹はルイーダの酒場で再会します。

PS:バトルロードレジェンドの男主人公にほれたので
同じ姿をさせるべく主人公には兄のほうを入力しています。

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