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妖精の鏡14

ドレスに着替える中、お手伝いさんと一緒に手伝ってくれたビアンカさんが苦笑した。

「大富豪の娘なのに、あんな格好して火山や滝に行っちゃうなんてほんと凄いわね」
「…危険な所に誰かに行ってもらって自分は待ってるだけなんて嫌だったんです」

リュカがヴェールを持ち帰るまでの間、ビアンカさんとお茶しながら色んなことを話した。

「リュカがフローラさんを気に入ったの分かる気がするわ。
なんかほっとけないもの、私もなんか妹が出来たみたいな感じ。心配になっちゃう」
「むしろ心配はかけたくないわ」
「あたしたちは心配しちゃうけど、実際のところはまったくぬかりないっていうのが…」

くすくすとビアンカさんが笑った。

「フローラさんって面白い人ね、こんな出会いだったけど今からでもお友達になれるかしら?」
「ビアンカさんから宿屋の秘策を教わってないのにどうして離れられるでしょう」
「うふふ、あたしがお嫁さんに欲しいくらいだわ。リュカにもったいなくて」


結婚式にはラインハットから来たヘンリー王子とマリアさんも参列して、賑やかな式になった。
初めて話した海で、初めて話したのも船の上で、太陽と海と空と風に見守られて式を挙げるのは不思議な気分で嬉しかった。

ビアンカさんが帰る時、こう言った。

「ありがとねフローラさん、あなたがまっすぐで優しくて…リュカの側にいるのが凄くお似合いだと思って納得できて、…なんていっていいかわかんない」

私も心にひっかかるものがないわけじゃなかった。

「私たち、いい友達になれるわ…」


「ねえ、リュカこれを読んでみて?」

翌朝、鍵を開けて取り出したのはリュカのために書いたリュカの冒険の数々。

「こんなに読みきれないね。ほんとにかいててくれたんだ」
「ええ、だって約束したでしょう?」

リュカの腕が私を引き寄せて、頬に軽く唇が触れた。

「フローラ、愛してる」
「私も愛してるわ…」


本のページは日に日に増えていく。
リュカの冒険が続く限り、側でそれを本にすると約束したのだから。


(終)
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