りんご茶さま拍手&リンクありがとうございます。
お礼に短いですがイザミレをささげさせていただきます。
アモールの町に子供の叫び声が聞こえる。
「イリアったら、まってよぉ」
「ジーナ、追いついてみなぁっ」
イザ達は神父さまから話を聞き、孤児になったらしい二人を引き取ったと知った。
らしいと言うのは、神父さまから聞いたことと現実の老人二名のつぶやきとを合わせてみるとそう考えられるからだった。
あのイリアとジーナはどうなるのだろう?二人はきょうだいなのか?それとも友達?現実に叶わなかったことを夢でどうかなえるのだろうか、複雑な気持ちでイザは見つめていた。
「あまり見つめてると子供たちに変に思われるわよ」
ミレーユが声をかけてきた。
「思われたっていいよ。あの二人の夢なんだって思うともうしばらく見てたい気分なんだ」
「んじゃ俺たち、洞窟の様子とかみてくるぜ」
「僕も水をもらいにいってきます」
「えーとあたし…」
「バーバラもこっちだ、おまえ丸太に乗る係だから」
「えっ、あたしだけ乗るのっ?!」
ハッサンは妙にニコニコと…バーバラの首根っこを掴んで去っていった。
「なあ、ミレーユ」
「なあに」
「これはあの二人の夢なんだろ?」
「…一応そういうことになるけど」
「二人は子供になって遊びたかったの?」
イザの真面目な言い方に、ミレーユは苦笑した。
「具体的にそんなとこまで決めてるわけじゃないとは思うわ。
おそらく、二人で誰にも邪魔されずにずっと楽しく無邪気に暮らしていたいっていうのが夢なのよ。
それから二人が再会して精神年齢が若返ったってこともあるかもしれないわね。
もう一度一緒に二人でやり直したいって思っているのかもね」
「そっか…」
「まだおられたのですか!」
神父さまが驚いた顔で二人を見た。
「熱心なご様子ですな。子供がお好きですか?」
「そういうわけじゃないんですけど。うん、なんか気になってしまって」
ミレーユが横で小さく笑った。
「妹がいるせいじゃない」
「いやはやてっきり孤児を引き取ろうと思っているのかと思いましたぞ。
孤児はまだまだ多くて、引き取り手を待ってる子が多いのです」
「お、おれが子供を引き取るんですか?」
神父はまじまじとイザを見て、ミレーユのほうに首を回し、そして天井を見た。
「…お二人で見るのかと…これは考えすぎでしたな失礼。
私もいくら孤児たちのことが気になるからといって早とちりしすぎましたな、ゴホン」
いまのは聞かなかったことに、と神父は急ぎ足で川のほうへ歩いていった。
(二人でって…ミレーユと…?!)
イザは照れ隠しをしつつ笑いながら言った。
「おれたちで子供の面倒みようとしてるように見えたらしいよ」
いつものような笑いが返ってこなく、不思議に思ったイザはミレーユを振り返る。
代わりに手で口元を隠して斜め下を見ていたミレーユは、じっとイザがこちらを見ていることに気付いてはっとして「な、なに?どうかした?」と明らかに動揺した素振りを見せた。
「えっ、いや、うんと…」
「…」
「人の距離は、心を許している距離なんですぞ!!
私の勘違いではないぞ!いやーもう今日は恥ずかしすぎて穴があったら入りたい。
私が妄想しすぎたようではないですか!違うんです!」
その晩、誰かが酒場でアモールの名水で割ったお酒を飲みながら愚痴っていた。
「え?そこで逃げるんじゃなくて結婚式をうちでやるようすすめればよかった?
あーもうそのとき言ってくださればよいものをっ」
お題元:http://members2.jcom.home.ne.jp/seiku-hinata/index.html
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